この記事でわかること
「さっき、着信があったみたいだけど、誰からだろう」——レッスンを終えてスマホを見ると、知らない番号からの着信が残っている。折り返してもつながらない。これが体験予約の電話だったとしたら、その1件は静かに消えていきます。
電話予約は、記録が残らないぶん「取りこぼしている」という自覚を持ちにくいのが厄介なところです。忙しく営業できていても、実は気づかないところで機会損失が積み重なっているかもしれません。
この記事では、フィットネス・ヨガ・ピラティスなど5ブランドのマーケティングを担当し、入会CPA(顧客獲得単価)を33%改善してきた立場から、ピラティスの電話予約で取りこぼしが起きる5つの原因を整理し、そのうえで体験予約を逃さないための現実的な対策までお伝えします。
読み終えるころには、「電話を受ける工夫をすべきか、電話自体を見直すべきか」を自分のスタジオに合わせて判断できるようになっているはずです。
ピラティスの電話予約で取りこぼしが起きやすい原因とは?
ピラティスの電話予約は、レッスン中で対応できない・営業時間外の着信・折り返しても心変わりされる、など主に5つの原因で取りこぼしが起きます。どれも「気づきにくい」という共通点があります。
具体的には、次の5つです。
- レッスン中は物理的に電話に出られない
- 営業時間外・定休日の着信をそのまま逃す
- 折り返しても「その場の熱量」は戻らない
- 電話対応に追われて本来の指導業務を圧迫する
- 何件取りこぼしているか把握できず、対策の起点がない
| 原因 | 主な影響 | |
|---|---|---|
| ① | レッスン中は物理的に電話に出られない | 機会損失 |
| ② | 営業時間外・定休日の着信を逃す | 機会損失 |
| ③ | 折り返しても熱量が戻らない | 離脱 |
| ④ | 電話対応で指導業務を圧迫 | 業務負荷 |
| ⑤ | 取りこぼし件数を把握できない | 改善不能 |
以降で、それぞれがピラティススタジオの現場でどう起きるのかを具体的に見ていきます。
原因①レッスン中は物理的に電話に出られない
インストラクターが指導中は手も口も塞がっており、他の接客業以上に電話への即時対応が難しい業態です。これが、電話予約の取りこぼしが起きる最も基本的な原因です。
受付にスタッフが常駐する業態であれば、施術者が別の作業をしていても電話は取れます。しかし1人〜少人数で運営するピラティススタジオでは、電話に出られる人がそもそもレッスン中の指導者しかいない、という状況が珍しくありません。
呼び出し音が鳴っていることに気づいていても、動きの指導中に途中で抜けるわけにはいきません。結果として、電話は鳴り続けるか、留守番電話に切り替わるまで応答されないことになります。
原因②営業時間外・定休日の着信をそのまま逃す
営業時間外にかかってきた電話は留守番電話か鳴りっぱなしになり、その場で予約が完了しないまま終わります。これが2つ目の原因です。
体験レッスンを申し込みたいと思うタイミングは、必ずしも営業時間内とは限りません。仕事帰りや夜、あるいは定休日に「明日の体験、空いてるかな」とスマホを手に取る人もいます。そこで電話がつながらなければ、その場での申し込みという選択肢は失われます。
飲食店を対象にした調査(株式会社トレタ、2021年2月実施、有効回答550名)では、ディナー営業のみの場合で電話全体の33%が営業時間外の着信だったとの結果が報告されています(出典: トレタ)。
同調査では、電話がつながらなかった経験がある人が約6割にのぼり、そのうち約3割が「そのお店への予約をやめた」と回答しています。
業種は異なるため数値をそのまま当てはめることはできませんが、営業時間外の着信が一定割合を占め、つながらなければ一部が離脱するという構造は、ピラティススタジオでも起こり得ると考えられます。
原因③折り返しても「その場の熱量」は戻らない
折り返し電話は着信そのものは拾えても、申し込んだ瞬間の熱量までは取り戻せず、その間に他のスタジオへ流れることがあります。これが3つ目の原因です。
「体験に行ってみようかな」と思い立った瞬間は、検討がもっとも進みやすいタイミングです。ところが折り返しの電話は、早くても数十分後、営業時間外であれば翌営業日になります。その間に気持ちが冷めたり、別のスタジオを検索して申し込んでしまったりすることは十分に考えられます。
折り返し自体は誠実な対応ですが、「あとで連絡する」という時点で、もっとも申し込みが決まりやすい瞬間はすでに過ぎてしまっています。
たとえば月10件の体験予約の問い合わせのうち、半数の5件が営業時間外や対応中で折り返しになったとします。その5件のうち何件が実際に来店まで至ったかを正確に把握できているスタジオは多くありません。
原因④電話対応に追われて本来の指導業務を圧迫する
電話の呼び出し音や対応そのものが、進行中のレッスンやその前後の準備時間を圧迫します。これが4つ目の原因です。
レッスンの合間を縫って電話対応をすると、次のレッスンの準備やお客様への挨拶に充てる時間が削られます。1件あたりは数分でも、日々積み重なれば、本来もっとも大切にしたい「指導の質」に影響しかねません。
電話が鳴るたびに気を取られること自体が、地味ながら見過ごせない負担になっています。
原因⑤何件取りこぼしているか把握できず、対策の起点がない
電話は出られなかった記録が残らないため、そもそも何件を逃しているかを把握できず、改善の優先度も判断できません。これが5つ目の原因です。
着信履歴が残る場合でも、「その着信が体験予約の意図だったのか」「折り返して予約につながったのか」までは分かりません。何件の機会損失が発生しているかが見えない以上、「電話対応を見直すべきか」「他の方法に切り替えるべきか」を判断する材料自体がない状態です。
私が担当してきたマーケティングでも、まず着手するのは「どこで、何件の機会損失が起きているか」を可視化することでした。計測できないものは改善できない、というのは電話予約に限った話ではありません。
たとえば1日に3件の着信があり、そのうち1件を取りこぼしているとします。月25日の営業で月75件、年換算では900件近い機会損失につながる可能性があり(実際の件数は業態・規模により異なります)、放置すると想像以上の規模になり得ます。
電話の取りこぼし対策としてよく使われる方法(IVR・電話代行)とその向き不向き
電話代行サービスやIVR(自動音声応答)は、着信を取りこぼさず受ける仕組みとして有効ですが、いずれも「電話に出る・折り返す」ことが前提です。
電話代行サービスは、コールセンターのスタッフが電話番号はそのままに予約受付を代行するもので、営業時間外でも対応できるようになります。IVRは音声ガイダンスで案内するシステムで、クラウド型であれば低コストで導入できるものもあります。どちらも、原因①〜②で挙げた「電話に出られない」問題には効果があります。
ただし、これらは「電話を受け続ける」という前提そのものは変わりません。折り返しが発生する運用であれば原因③(熱量の低下)は残りますし、外部に対応を委託する以上、体験予約に必要なピラティス特有のニュアンス(初心者への配慮や、その場でのちょっとした質問対応など)をどこまで拾えるかは仕組みによって差があります。
「電話を取りこぼさない」ことと「体験予約という特殊な申し込みに最適な形で応じる」ことは、必ずしも同じ解決策で満たせるとは限りません。
LINEを予約手段にしている場合も、レッスン中の対応遅れなど似た課題が起こり得ます。詳しくは「ピラティスのLINE予約に潜む7つのデメリットと解決策」もあわせてご覧ください。
体験予約は「電話を待たない」導線に変えるのが本質的な対策
熱量の高い体験予約は、電話を受ける工夫ではなく、電話をかけずに完結できる予約フォームに変えることで、取りこぼしの原因ごと減らせます。これが、原因①〜③に対するもっとも根本的な対策です。
予約フォームなら営業時間外・レッスン中でも完結する
予約フォームは、お客様が申し込みたいと思ったその瞬間に、運営者の対応を待たずに予約を完了できます。レッスン中であっても、営業時間外であっても関係ありません。原因①(レッスン中に出られない)と原因②(営業時間外の着信)は、電話に依存しない導線に変えることで、そもそも発生しなくなります。
Formaという選択肢
体験予約に特化した予約フォーム「Forma」は、入力項目を体験予約に必要な最小限に絞り込んだ設計です。導入スタジオでは体験予約率が平均1.8倍に改善した実績があります(当社調べ・効果には個人差があります)。初期費用は0円、月額4,980円(年契約・税込)から利用でき、14日間の無料トライアルで試すことができます。
電話を完全になくす必要はない
すべての電話対応をなくす必要はありません。常連のお客様とのやり取りや、振替・込み入った相談のような会話が必要な場面では、電話やLINEのほうが向いています。変えるべきは「初めての体験予約」という、もっとも熱量が高く、もっとも取りこぼしの影響が大きい場面から優先的に電話依存を減らすことです。
よくある質問(FAQ)
ピラティスの電話予約はどのくらい取りこぼしているものですか?
正確な件数は着信記録だけでは把握できません。飲食店を対象にした調査(トレタ、2021年)では営業時間外の着信が全体の33%、つながらなかった場合に予約自体をやめた人が約3割という結果がありますが、業種が異なるためピラティスにそのまま当てはまる数値ではありません。まずは自スタジオでの取りこぼし件数を把握することが対策の第一歩です。
IVRや電話代行を導入すれば取りこぼしはなくなりますか?
営業時間外や電話がつながらない状況による取りこぼしには効果があります。ただし、折り返しによる熱量の低下や、外部委託によるニュアンスの伝わりにくさは別の課題として残る場合があります。体験予約のような即時性が重要な申し込みには、予約フォームと組み合わせる方法も検討する価値があります。
電話予約をやめて予約フォームだけにしても大丈夫ですか?
いきなり全廃する必要はありません。まずは新規の体験予約だけを予約フォームに切り替え、常連対応や込み入った相談は従来どおり電話やLINEを残す「使い分け」から始めれば、混乱なく移行できます。
体験予約以外の電話(振替・相談など)はどう扱えばいいですか?
振替や込み入った相談のように会話が必要な場面は、引き続き電話やLINEで対応するのが適しています。電話をなくすことが目的ではなく、取りこぼしの影響が大きい「初めての体験予約」の導線を優先的に見直すことが目的です。
まとめ
ピラティスの電話予約で取りこぼしが起きる背景には、次の5つの原因があります。
- レッスン中は物理的に電話に出られない
- 営業時間外・定休日の着信をそのまま逃す
- 折り返しても「その場の熱量」は戻らない
- 電話対応に追われて本来の指導業務を圧迫する
- 何件取りこぼしているか把握できず、対策の起点がない
IVRや電話代行は「電話を受ける工夫」として有効ですが、体験予約のようにその場の熱量が重要な申し込みには、電話をかけずに完結できる予約フォームへ切り替える「電話を減らす工夫」がより本質的な対策になります。まずは体験予約だけからでも、無理なく試してみてください。
体験予約専用フォーム「Forma」は14日間の無料トライアルで試せます。
参考文献・出典
– 株式会社トレタ「お客さまが電話予約を選ぶ理由ランキング ~営業時間外の取りこぼしはどう防ぐ?~」(飲食店対象調査・2021年2月実施) https://toreta.in/contents/dx/ranking006/ (確認日2026-07-17)
この記事を書いた人
生頼耕太郎 / フィットネス特化のマーケティング担当。柔道整復師の資格を持ち、フィットネス・ヨガ・ピラティスなど5ブランドのマーケティングを担当。入会CPAを33%改善した実績やMMMモデルを活用した販促効果の数値化を得意とする。
